MWAPIの病院情報システムでの利用
山下 芳範
福井医科大学 医学情報センター
はじめに
M言語にも新しくWindow用のAPI(MWAPI)が追加されようと
している。 既に、アメリカMDCでは、次期標準で搭載するように草案が出
来上がっており、現在審査中である。 この新しいインターフェースは、他の
言語よりも早く、言語仕様に取りいれられることは、これからのGUIを大き
く変えるものである。 福井医大でも、新しい病院システムに切り替えたこと
もあり、従来のCUIをwindowsでのGUIに全面的に置き換えるよう
に作業を進めている。
MWAPIのプログラミングと応用
MWAPIでは、windows上での各種入力装置に対応するために、従
来の入力方式とは大きく違うイベント方式になるため、プログラムの流れも従
来のフローチャートのような連続した流れではなく、必要に応じてイベントか
ら処理が始まる方式に変わる。 このことは、操作によって流れが変わること
でもあるが、病院でのアプリケーションのように、流れが多岐にわたり、多く
のオプションを要求される発生源入力等には、有効な手段となる。
一つの例であるが、図に示すような、オーダー入力画面では、CUIでは、
多くの階層を持った画面や選択画面で構成されていたが、ボタン等の要素を用
いることで、一元的に構成することも可能となる。
また、画面の要素も単なる文字入力要素や選択要素だけでなく、ジェネリッ
クと呼ばれる、マウスポインタの有感領域もあり、従来にない作画などにも用
いる事が可能である。 本学でも、M言語の機能としてこれらのファンクショ
ンが加わったことから、従来から研究を進めていた電子カルテにもようやく応
用ができるものとして、開発を進めている。 現在、将来に向けて、電子カル
テに近いUIで、従来の機能の移行を進めている。
まとめ
従来のソフトのコーディングとは大幅に異なるために、同様の機能を実現す
るためには、大幅な変更が必要になることが多い。
しかし、コーディング自身の負担は、動作と一体であることや$Windo
wが大部分を処理してくれるため、従来より少ない。
このことは、今後の医療や病院でのアプリに要求される、直感的で容易な操
作を実現する上では、非常に大きな意味がある。
また、言語の仕様として規定されているので、異なるプラットフォームでの
利用でも資源が生かせる意義は大きい。
電子カルテへの試験 オーダーへの応用例